9-1 生活保護制度改革を注視しよう
1950(昭和25)年に始まった生活保護制度が初めて本格的に見直されようとしている。去る、5月30日国と地方の協議がスタートし、8月までには結論を出すことになっている。これを踏まえて、厚生労働省は来年度予算案に反映させ、必要な法改正に着手することになる。
下記の論点は、生活保護にかかる費用を抑制する視点からの論点のみと言えるだろう。確かに増え続ける費用をどのように負担するか、あるいは減らすかの課題は重要であろう。しかし、このようなことのみでの改革では、制度を本格的に改革することにはならないのではないか。
わたしは市役所(福祉事務所)在職中、通算で15年余り生活保護ケースワーカーの職にあった。生活保護はわたしのソーシャルワーカー(社会福祉士)としての原点でもある。この経験から今回の制度改革は、例えば「生存権保障、保護請求権」の考え方からは、想像しがたいほどのずれがあろうことなど、大いに疑問なのである。
今後注視していきたい。
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(以下は、2011.5.31 朝日新聞朝刊 「生活保護 見直し着手 -国・地方、費用抑制へ議論-」を参考にした)
生活保護受給者は、近年長引く不況を反映し、今年2月分では200万人という水準に達し、費用はこの10年で1.6倍に膨れ上がっている。このため、今回の見直しでは、次のことが論点になる。
〇国と地方の負担割合 〇期限つきの制度を導入
〇最低賃金や年金額とのバランス 〇不正受給のチェック強化
現在国と地方の負担割合は、国が4分の3、地方が4分の1になっているが、大阪市の平松邦夫長は全額国庫負担を訴えた。しかし、厚生労働省は国の負担を増やすことには否定的である。
谷本正憲石川県知事は、「働けるのに受給している人がいる」と指摘した。また、自治体からは、自立する意欲がみられない場合は、期限つきの需給の仕組みの導入が提案されている。同時に生活保護から抜け出せる支援策の充実が求められた。厚生労働省は、働ける世代への就労支援策を重視する一方、生活保護は最低限度の生活を保障するものであるので、期限を設けるのは憲法違反になりかねないと慎重。
生活保護基準は、最低賃金や基礎年金満額(月約66,000円)よりも高いことから、働く意欲をそぐという批判があるので、厚生労働省は見直すことにしている。
さらに、不正受給を減らすことも課題に挙げて、この協議を通じて効果的な対策を見出そうとしている。
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